上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • 虎八
  • 2014/01/01 (Wed) 06:54:24

 明けましておめでとう御座います
 本年もよろしくお願い致します

 さて、現在の上方落語の根多は戦後噺家が
 少なくなった時に、桂米朝師が元噺家で漫才等に転向された 方や
 半ば引退廃業されたから教わり復活させたと聞きました。

 四天王でも六代目松鶴師はほぼ笑福亭系の根多が多いのでしょうか?

 先代文枝師も笑福亭の根多が多いのでしょうか?
 当代春團治師は持ち根多が少ない事で有名ですが、
 その芸が至芸と云う事は皆さんご存知の事ですが、
 根多の出処が先代春團治 花橘 文團治なんですね?

 松鶴 文枝の系統は笑福亭系
 米朝一門は米團治 圓都 文團治 花橘
 春團治系統も文團治 花橘と成るのですね?
 米朝師が先代(五代目)笑福亭松鶴師から習った噺は無く、
 又笑福亭の方が米團治師から噺を受け継ぐ事も無かった様に思います。
  六代目と米朝師も同じ噺をされてますが、出処が違うのですね?

  又、持ち根多が松鶴 米朝 文枝で一番多いのはどなたなんでしょうか?
  別に多ければ良いと云う事ではありませんが?

Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • 酒本
  • 2014/01/01 (Wed) 14:28:18
六代目松鶴師匠は四代目米團治から「つる」「江戸荒物」を習ってる。

松之助師匠は五代目死後四代目米團治に付いていたから、「住吉駕籠」「蛇含草」「啞の釣り」「首提灯」などを習ってる。
四代目文枝からは「へっつい幽霊」


米朝師匠の「高津の富」と「牛の丸薬」「くっしゃみ講釈」は五代目松鶴の聞き覚え。

だから四代目米團治→松之助→米朝一門という流れのネタが存在する。

先代文枝師匠は五代目松鶴や花橘そして松之助師と同じく四代目米團治に付いてましたから数席。そして文紅師とネタ交換もしたから文団治ネタも数席ある。あと、先代染丸死後に音源で覚えた「鹿政談」や「堀川」など、また米朝師匠の復活噺を断りなしに勝手に覚えてやってる噺もある(そういう事は米朝文枝の間柄ですので許されるんですがね)師匠の四代目文枝からは少ないようです。
ですから先代染丸師六代目松鶴師や米朝師と被るネタが多いのでネタ数が多いように感じますが、六代目や米朝師匠も負けず劣らずだと思いますよ。

Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • みなもとかずま
  • 2014/01/01 (Wed) 19:56:18
地獄八景は三代目福松→米朝師だそうだが

それ以前に祝々亭舶伝がやってた??

米朝師がやるようになってやらなかったのか?

Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • 酒本
  • 2014/01/01 (Wed) 22:16:39
>地獄八景
全編通しでやったのは福松師ですが、六道の辻から芸廻しの件は
五代目松鶴がよくやってたので六代目もその部分は若い頃やってたそうです。
米朝師が福松師から習って今のような形で演じるようになってからはやらなくなったようです。

春輔(舶伝)さんの地獄を聞いたことありますが、米朝師のやり方でしたよ。米朝師が演じ出したのが昭和30年代、春輔さんがそれより前にやったとは考えにくいと思います。
初代の春輔ならやってたかもしれませんが未確認です。

Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • 虎八
  • 2014/01/02 (Thu) 09:19:23
詳しいお話有難うございます
先代文枝師は六代目や米朝師とネタが被るので少ない様に思いますが、結構多いのですね?
「口入屋」や「天神山」等女性の出る噺はやはり文枝師が好きです。米朝師より軽妙な味が出てそこが文枝師の魅力だと思います。さて、掛け捨てだと思いますが、文枝師も60前位の時に
「地獄八景」をお弟子さんの会で演じられたことがあると云う話を聞きました、それっきりで演じなかったそうですが?

文枝 米朝 松鶴はネタが被る事が多いが、三代目は持ちネタが少ないので配慮して、余り三代目のネタは他の3名はしないのでしょうか?
親子茶屋 代書屋 皿屋敷は米朝から三代目に伝わったが、
三代目が演じると、米朝師はこの噺を余り掛けなくなりましたですね?
又 祝いのし は文枝師の録音に記録がありますが、これも三代目に配慮して余り演じなくなったのですね?
野崎詣りは六代目 松之助師が演じますが、この野崎詣りは五代目松鶴師からのものであり、三代目は花橘師からのもので形が大分違うのですね?

Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • 名無亭権兵衛
  • 2014/01/02 (Thu) 09:48:12
春團治師匠が、ある噺を聴いて
『これ習といたらよかったなぁ』って
おっしゃったネタがあると聴いたんですが
御存じの方いらっしゃいます?

Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • 虎八
  • 2014/01/02 (Thu) 09:58:08
 三代目は米朝師から譲られた噺も10以上はあったが、
 「難しくて良うやらん」と云う事で高座にかけるのが、
 あの3席になったそうです。
 50年程前には「始末の極意」「色事根問」等の記録も残っております。
 30年程前に「三枚起請」を稽古していたが、納得がいかないと高座にかけることは無くなったようです。
 確か、親父(二代目春團治)の「黄金の大黒」は好きやがようやらんと云う事で、つけてもろたら良かったと云っていた様に思います

Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • 酒本
  • 2014/01/02 (Thu) 15:12:53
>五代目文枝「地獄八景」
稽古しに文太さんの会でやったのを聞きましたよ。
文枝さんはよく新ネタの稽古の時弟子の会で飛び入りしてやってました。
その当時はあまり気軽に出られる落語会がなかったですからね。文枝さんの地獄は東京では数回やってます。
頼まれたらよう断らんので何でもやってますよ。ある会で「延陽伯」を依頼されて、枝雀さんと仁鶴さんのテープで覚えはったそうですね。

三代目春団治師と被るネタ
文枝師は「祝いのし」「高尾」「野崎詣り」「代書(米團治譲りですが晩年はやってない)」「親子茶屋」
米朝師は「皿屋敷」「代書」「親子茶屋」「子ほめ」「寄合酒」
六代目は「野崎詣り」「寄合酒」「有馬小便」

あと小品の「平林」「明礬丁稚」「寿限無」「豆屋」も有るんですがそういうのは省いてます。

三代目唯一というと「いかけや」「お玉牛」「宇治の柴舟(今は捨ています)」「月並丁稚」という事になるでしょうね。

持ちネタとやった事のある噺は別みたいですね、米朝師はレコードに入れてる噺でも「持ちネタやない」という言い方されますもの。


Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • 初心者
  • Site
  • 2014/01/06 (Mon) 23:21:31
三代目の「明礬丁稚」は角座の初席で聞いたことがあります。
1970年代前半と思います。
持ち時間が少ないときは、今でも掛ける事があるのでしょうか?


「明礬丁稚」は二代目譲りでしょうか?

「有馬小便」も角座で何度か聞きました。

「宇治の紫舟」は捨てないで欲しかったなぁ
と個人的には思います。

Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • みなもとかずま
  • 2014/01/08 (Wed) 19:36:05
今や録音・映像があるから稽古に通わない噺家が多い。

一文笛を東京で勝手にやってる噺家がいるとか

Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • 酒本
  • 2014/01/10 (Fri) 20:55:53
>三代目

昨年の6月からずっと体調不良で高座を休んでる三代目ですが、
恒例の堀川戎の笹売りに出てはりますね。

入院中に転倒して肋骨にひびが入ってコルセット付けてはるとか、
もう高座へ出る気は無いのかなあ。

Re: Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • 植松
  • 2014/01/11 (Sat) 15:02:38
五代目文枝さんの質屋芝居の映像(関テレ)。
型が悪く、歌舞伎をよく見ている私としては、もうちょっときっちり残してほしかったです。
ただ六代目没後に消えかかった質屋芝居が残せたとはいえるでしょう。

Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • 酒本
  • 2014/01/11 (Sat) 17:58:46
あの関西テレビの「質屋芝居」は忠臣蔵特集ちゅう縛りがつけられた企画でしたね。あれも頼まれたから断れなかったという口のようにも思えますね。

文枝さんは型とかはまったく拘ってはいません。
「蛸芝居」にしろ「稽古屋」にしろ「紙屑屋」にしろ、おおざっぱにフワットした演じ方で弟子にもそう伝えてますからね。
ハメモノも「わしがこうこう言うから、流れで入れてくれ、別にきっちりと入らんでもええから」という感じでしたからね。

六代目没の頃には「質屋芝居」を現・染丸さんや米二さんはすでにやってたと思いますよ。
京都の小文枝独演会で染二時代の染丸さんが膝替わりに出てやってはりましたよ、影の声は小文枝さんがやってました。その時小文枝さんはまだ質屋をやってなかったはずです。

Re: Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺

  • 植松
  • 2014/01/12 (Sun) 13:23:16
まあ時効ということで、昭和63年1月中座で上演された仮名手本忠臣蔵を客席で録音したものがあります。
陰の声なんかも、もう少し歌舞伎を勉強してほしいものです。
YTVサロン三曲漫才では出羽助さんですね。

Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • 酒本
  • 2014/01/12 (Sun) 14:00:24
全く分からず演じるとは問題外ですが、丸々本式の歌舞伎にしてしまうと落語という寸法に合わない。
パロディの域を越えてはならない、落語は芸能の荒物屋なんですね。
そして現代の観客に受け入れられるように演じなければならない
その辺が難しいんじゃないでしょうか?
それが出来て商売になったのが米朝師だったわけですね。

それが出来ないと、何でも数字で判断して有無を決める、どっかの市長の思うつぼですな。

Re: Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • 植松
  • 2014/01/13 (Mon) 21:03:57
まあいわば歌舞伎も文楽を取り入れていますからね。
ただし歌舞伎ではいまでも文楽を『本行』と敬っていますな。
分からなければ文楽を勉強する。
落語なんて、かえって何でもアリが取り柄です。
いまは客も演者も歌舞伎が分からないですしね。
亡くなった吉朝さんはよく文楽劇場に来てはりました。
九雀さん親子?は松竹座。

Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • 野高涼成
  • E-mail
  • 2025/02/04 (Tue) 16:45:40
皆様
 10年前のスレに失礼いたします。
 春團治師の幻の持ちネタですが、前出の三枚起請、色事根問、豆屋、始末の極意などに追加で発見しました。ご存じの方も多いかと思いますが…

 桂春若師匠は、米朝師から春団治師に「米揚げ笊」、「鉄砲勇助」を稽古されたとおっしゃってます。
https://yosetumugi.com/2021/04/03/haruwaka-19/

 過去に「いけだ落語うぃーく」で展示された三代目春團治師匠を偲ぶ特集で、持ちネタの控えが展示されて、その中に稽古屋、植木屋娘が含まれていたようです。演じることはなかったですが覚えておられたということにですよね…?

 春團治師はご自身の出来に厳しかったようですが、私としては例え出来が悪くても春団治師バージョンを拝見したかったです…

Re: 上方落語で持ち根多の多い噺家 少ない噺家

  • ヨネヤン
  • 2025/02/06 (Thu) 23:07:28
NHKの三代目のCDには
宇治の柴舟 有馬小便 寿限無 平林 豆屋
も収録されていますが
晩年は持ちネタでは無かったのでしょうか

記憶は定かではないのですが
昔ラジオの先代春蝶師と三代目のトークで
春蝶「師匠はこのネタ(演目忘れましたが多分二代目の持ちネタ)
演らないんですか?」
の問いに
「稽古付けてもろてへんからなぁ」の返答でした
三代目は直接稽古を付けてもらったネタしか演らない(できない?)のかと思いました

また桂八十氏師がラジオで米朝師の思い出を語った際
襲名が決まった三代目に米朝師が
「おまハンこの持ちネタの数で春団治継ぐつもりか?」
と言って「親子茶屋」等を稽古したと
仰っておりました

六代目の著書(多分)で親(二代目)の金で遊び歩いて
努力していない結果と
厳しいことを仰っていました(知らんけど)


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